GDP あれこれ

GDP(gross domestic product;国内総生産)あれこれ

更新:2019/7/30

GDP(米国)概要

GDPは国内で生産された最終製品やサービスなどの価値を合計したもの。国の経済活動全体にわたって詳細に知ることができる重要な指標である。米国のGDPは経済分析局(Bureau of economic analysis)が1、4、7、10月の8:30(東部時間)(日本時間だと21:30(サマータイム期間)か22:30(それ以外の期間))の下旬に四半期についての速報値を発表する。速報値は2回改訂され、改定値は次の月とその次の月の下旬に発表される。

GDPを計算するには主に3つ(生産、支出、分配面)方法があるが、米国は消費面を採用している(どの方法でも理論的に同一の値になる)。GDPは大きく分けて個人消費支出(personal consumption expenditures)、政府消費支出(government consumption expenditures)、投資(investment)、純輸出(net export;輸出-輸入)から成る。実質GDP(real gross domestic product)はGDPからインフレ率の影響を除いたもの。名目GDP をGDPデフレーター(GDP deflator)で割って計算される。ただGDPといった場合には実GDPの方を指すことが多い気がする。なお、GDPデフレーターは消費者物価指数(CPI)とは別物であり(CPIは家計消費が対象でGDPデフレーターは家計消費の他に設備投資なども対象、CPIとGDPデフレーターでは輸入品価格変動に対する影響が異なるなど)、両者の数値は必ずしも一致しない。

消費支出はGDPの最も大きな要素で、アメリカではおよそ70%を占める。この意味で、消費者信頼感(消費者がどれだけ景気について楽観的か)は景気の先行きに非常に重要であると思っている。設備投資は生産能力を向上させ、雇用を加速させるという意味で重要である。また、景気後退期において消費支出や設備投資が落ち込んでいるときには政府支出が重要となってくる。

公表されるデータについて

個人消費支出は財(goods)、サービスに分けられ、財は耐久財(durable)と非耐久財に分けられる。個人投資は住居(residential)と非住居に分けられ、住宅については消費でなく投資に含まれる。輸出入についても財とサービスに分けられる。政府支出と政府投資については一まとめにされ、連邦政府(federal)と地方自治体(state and local)に分けられる。連邦政府に関してはさらに国防(national defence)とそれ以外に分けられる。これらの各項目に対し年率換算された変化率(前期比や前年同期比)や各項目の寄与度(contributions)などが示される。

また、個人所得(personal income)に関するデータも示される。可処分個人所得(Disposable personal income;所得から税金を除いたもの)、個人貯蓄(Personal saving)、個人貯蓄率(personal saving rate;可処分個人所得に対する個人貯蓄の割合)、個人支出(Personal outlays ;個人の消費、利払い, 経常移転支出)など。

過去のGDPの推移

GDP(景気)は周期的に変化する。経済状態が良好な時はほとんど限界まで労働力・生産力が用いられ、インフレ率が上昇していく。これに応じて中央銀行は金融引き締め策を実施し、過熱した経済を冷やしインフレ率上昇を抑え込もうとする。金利が上昇するにつれ企業や消費者は消費を控え、経済は減速する。需要は減退し企業は雇用者を解雇、これが消費・需要のさらなる減退を招く。この悪循環を断つために、中央銀行は景気や雇用を刺激するために金融緩和を行い、これは景気が過熱するまで続く。あとはその繰り返しになる、というのが典型的なパターン。
GDP(前年比)と失業率、実効FF金利、CPI(前年比)の関係をグラフにまとめると下記のようになる(FREDから得たデータを加工、編集したもの。実効FF金利は1954年から)。

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テクニカルリセッション

欧米では一般的にGDP成長率が2四半期連続でマイナスとなった場合を「テクニカルリセッション(technical recession)」と呼び、景気後退期に入ったと考えられることが多いようだが、何をもって景気後退とするかは明確な定義というかコンセンサスはないようである。


世界各国(米国以外)のGDPデータソース

カナダ
https://www.statcan.gc.ca/eng/start

メキシコ
http://en.www.inegi.org.mx/

ブラジル
https://ww2.ibge.gov.br/english/

EU
https://ec.europa.eu/eurostat/

ドイツ
https://www.destatis.de/EN/Home/_node.html

フランス
https://www.insee.fr/en/accueil

スペイン
http://www.ine.es/en/welcome_en.htm

イタリア
https://www.istat.it/en/

イギリス
https://www.ons.gov.uk/

トルコ
http://www.turkstat.gov.tr/Start.do

ロシア
http://economy.gov.ru/en/home

インド
http://mospi.gov.in/

中国
http://www.stats.gov.cn/english/

韓国
http://kostat.go.kr/portal/eng/index.action

日本
https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html

フィリピン
https://psa.gov.ph/

インドネシア
https://www.bi.go.id/en/Default.aspx

シンガポール
https://www.singstat.gov.sg/

オーストラリア
https://www.abs.gov.au/

ニュージーランド
https://www.stats.govt.nz/

南アフリカ
https://www.resbank.co.za/Pages/default.aspx