2019/8/2 カナブンが窓にぶつかってうるさい

株とか為替とか

昨日の株はアジアでは日本株は堅調だったが他は軟調な国が多く、欧州株は堅調だった。米株もスタートはよかったようだが後述するトランプ氏の発言をきっかけに大きく下落した。

コモディティでは金が急反発し、銅、パラジウム、原油、天然ガスなどが大きく下落した。これもトランプ氏の発言の影響で、中国経済(と世界経済)の先行きに対する不安感から来た反応だろう。

為替ではドル指数が反落、特に対円での下落幅が大きい。クロス円は円が大きく買われている。リスクオフの流れである。

米国債は中~長期物が大きく買われて(金利が低下して)いる。

経済指標関係ではイングランド銀行(Bank of England; BOE)が金利の現状維持を決定した。

www.bankofengland.co.uk

Brexit問題を抱える英国であるが、離脱強硬派と言われるジョンソン氏が新首相に就任した(下記の過去記事参照)。

 

www.satosatosato.com

 

だが、BOEは未だに「合意ある離脱」をメインシナリオにしているようだ。楽観的すぎる気もするのだがどうだろうか。

また、全米供給管理協会の製造業景況指数が発表された。

www.instituteforsupplymanagement.org

ここ数か月ずるずると下がっており、今回も前回値より低下している。50を切りそうなところまで来てしまった。項目別では生産 (Production)と雇用(Employment)の下落幅が大きく、指数の足を引っ張っている。回答者のコメントでは相変わらず
「tariffs(関税)」の文字が目立つ。

気になったニュース

トランプ大統領が中国に追加関税を課すと発言(ツイッター)

CNBCなど各社が報じている。

www.cnbc.com

発言の概要は下記の通り。

「米国は9月1日から残り3000億ドル分の中国からの輸入品に10%の関税を課す」
「我々は貿易に関する包括的な取引について前向きな対話を続けることを楽しみにしている。2国の未来は非常に明るいと感じている」

昨日書いたのだが、FOMC終了後にトランプ大統領は「がっかりした」とコメントしている(下記リンク先は昨日の記事)。

 

www.satosatosato.com

 このタイミングで今日のこのツイートである。これはもうFedに利下げの口実を与えるための行為なのではないのだろうか。つまり、「”経済先行きの不透明性”とやらをさらに増加させてやるから、利下げを続けろ」という大統領からFedへのメッセー ジではないか。

市場でもそう思った人が多いのだろうか、債権が買われ長期金利が急低下した。FedWatch を見てみると、次回9月FOMCでの利下げ確率 (25bps)が昨日は50%程度だったのが今日は80%以上に急上昇している。

もしこれが正しいとすると、「トランプ大統領は金利が十分に下がったと思うまで貿易問題をこじらせ続ける」ということになる 。そうなるかどうかは分からないが、可能性としてあるということは書いておきたい。

FRB理事候補であるジュディ・シェルトン(Judy Shelton氏)は世界経済の現状を大変危険であると考えているようだ

CNBCが報じている。

www.cnbc.com

主な内容は下記の通り。

「(世界的に利下げが相次いでいる最近の金融政策について)成長の刺激になっていないが、貨幣市場に影響があり、我々は今とても危険な状況にある」
「1930年代の近隣窮乏化政策(Beggar-thy-neighbour)と違いはない」
「(米国は他国に歩調を合わせるためだけに金利を引き下げるべきでない、と考えるかどうか問われて)ただ一人善であるのは素敵なことだが、そんな贅沢はしていられない」

1930年代と言えば世界恐慌が起こった時期である。この時期には複数の国が近隣窮乏化政策を採ったとされており、シェルトン氏は現在の利下げ競争のようになっている世界の状況をそれになぞらえておられる。

しかしその危険な状況を認識しつつも、他国に合わせて利下げをやらざるを得ないとしておられる。利下げを止めるなら各国が協調しないと意味はないとお考えなのだろう。つまり現状では氏は利下げに賛成ということだ。

今回の発言内容は下記リンク先(FOMCあれこれ)にも追加しておいた。

 

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