2019/10/31 晴れ

株とか為替とか

昨日の株はアジア、欧州はまちまちだったが米国株は堅調だった。ただ、Russel2000が下げているのが気になる。VIXは大きく低下。
コモディティでは金(Gold)が反発し、銅と原油は続落した。
為替ではドル指数先物(DX)が続落し、ドル円はFOMC直後は荒い動きだったが結局あまり動いておらず、クロス円はまちまち。
米国債は全般買われた(金利が低下)。
経済指標等では米国の第3四半期のGDPが発表された(下記はBEAのサイト)。

www.bea.gov

成長率は前期比年率で第2四半期をやや下回ったが、市場予想よりは良かったようだ。前年同期比でも第2四半期を下回っている。個人消費は相変わらず堅調で、政府支出も多い。ただ民間国内投資はあまりよろしくない。住宅投資はいいのだが設備投資に慎重な様子がうかがえる。全体としては直ちに景気後退を心配するような内容ではないが、GDP成長率は前期比で見ても前年比で見ても2018年の後半をピークに減速傾向である。何とか持ちこたえているという印象を受ける。また、成長が政府支出によって支えられている側面もあることにも危うさを感じる。

また、カナダ中銀が政策金利の現状維持を決定。一方ブラジル中銀は利下げを決定した(下記はReutersの記事)。

www.reuters.com

政策金利は過去最低となる5.0%。ただ、今後の利下げには慎重な姿勢を示した。

昨日はFOMCもあったが、それは後で別に書きたい。
GDPの設備投資の不調について報道では米中貿易戦争を主因としているのが目立つがそうなのだろうか。前年同期比でみると確かに設備投資は2018年第2四半期がピークであり、米中貿易戦争が激化し始めた時期と重なる。ただ、厄介なことにこの時期はFedが最も強気で金融引き締め(利上げとバランスシート縮小)を進めていた時期とも重なるのである。貿易戦争が始まる前から米国以外の多くの国で景気減速が始まっていたことから金融引き締めの方が主因ではないかとも思うのだが、はっきりとはわからない。貿易戦争終了後にFedが金融引き締めを再開してくれたらわかるかもしれないが。

Fed 利下げ止めるってよ

昨日はFOMCの結果発表があった。

www.federalreserve.gov

大方の予想通り25bps(0.25%)の利下げを決定。最近の日記でもかいたように現状維持の可能性も多少あると思っていたが、市場との真っ向勝負は避けたようだ。また、エバンス氏については利下げに反対すると思っていたのだが、予想が外れた。現状維持を主張して利下げに反対したのは(投票権のあるメンバーでは)ジョージ氏とローゼングレン氏(これは予想通り)。

声明文ではこれまで「・・・強い労働市場と2%のインフレ率を支えるため適切に行動していく」としていたところが「適切なFF金利の道筋を評価していく」となっている。これは利下げの停止を示唆していると思われる。パウエル議長はFOMC後の記者会見で「現在の政策スタンスは適切であり続けるとみている」と発言(下記はCNBCの記事)していることからも、当分は利下げしない方針になのだろう。

www.cnbc.com

パウエル議長が以前利下げを「中期サイクルにおける調整」であると発言した際には大きく下落した株式市場だが、今回は利下げ停止を示唆したにもかかわらず無事に通過できている。パウエル氏としては一安心だろうが、これはなぜだろうか。パウエル氏は会見で持続的で大きなインフレ率の上昇がない限り利上げしないという趣旨の発言もしている。

www.cnbc.com

これを好感したという部分もあるのだろうが、一投資家としての自分の感覚だともう誰もパウエル氏の言うことなど信じていないからではないだろうか。
パウエル氏はバランスシートの縮小が「オートパイロット」状態だと発言したすぐ後に縮小停止に方針転換したし、いまや資産購入を再開している。「オートパイロット」発言から1年もたっていないにもかかわらずである。また、「中期サイクル」発言も利下げを止めることなく3会合も連続で利下げしている。今後Fedがどうするかは結局データ次第であり、そうであれば気にすべきはデータでありFedではない。次回12月の会合だって利下げせざるを得ない状況だったらどうせ利下げするだろう、と市場は考えているのではないだろうか。

ということで今後はよりデータを丁寧に見ていくことが重要になっていくだろう。常にそうなのだが。
米国のGDPはまだ大丈夫だが減速傾向である。米政府は巨額の財政赤字を抱えており、GDPの成長の一角を担っている政府支出も今後どうなるか分からない。超長期債の発行やリファイナンスのニュース、レポ金利の混乱とそれに対応したFedによる資産購入再開などは、債務の膨張が限界に近づいていることを危惧させる。現状の金利に実体経済は耐えられるだろうか。

これを書いている時点ではパウエル氏の記者会見が終わっていないのだが、今月表明した資産購入に関して今後どうするのか質問が出るだろうか。気になる。
また、FOMC後の恒例行事のようになっているトランプ大統領によるFed(パウエル氏)批判も今のところないようだ。こっちは大して気にならない。