2020/1/30 雨

1月FOMC 意外とタカ派

今日の早朝FOMCの結果発表があった。
FF金利は予想通り変更なし。
声明文についてもほとんど変更なし。家計消費が「strong」から「moderate」にやや下方修正され、インフレ率が2%に「near」から「returning to」に変わっただけ。インフレ率に関してはパウエル議長は会見で、

「We wanted to underscore our commitment to 2% not being a ceiling, to inflation running symmetrically around 2% and we’re not satisfied with inflation running below 2%」

と述べている。2%に近い現状の状態に満足しているわけではないということ、2%は天井ではなく上下に対照的な目標であること(つまり、ある程度超えることは許容するということ)を強調したかったのだろう。

IOERについてはいじらないと予想していたのだが1.55%から1.60%に引き上げ。予想が外れた。ただステルス利上げのようなものなので上げたら市場は嫌気するだろうと予想していたのだが、やはりFOMC後株は売られている。予想当たり。

なお、今回は反対票はなく全会一致で決定している。
注目していた去年始めた資産購入(短期国債;いわゆるTビル)についてだが、記者会見でパウエル議長は

「As our bill purchases continue to build reserves toward levels that maintain ample conditions, the role played by active repo operations will naturally recede. Over the first half of this year, we intend to adjust the size and pricing of repo operations as we transition away from their active use in supplying reserves. This process will take place gradually and, as indicated in today’s FOMC Directive to the Desk, we expect to continue offering repos at least through April to ensure a consistently ample supply of reserves. Based on current projections, we expect that the underlying level of reserves will durably reach ample levels sometime in the second quarter of this year. As we get close to that point, we intend to slow the pace of purchases and transition to a program of smaller reserve-management purchases that maintains an ample level of reserves without the active use of repos. At that point, as in the pre-crisis period, our balance sheet will be expanding gradually over time, reflecting the trend growth in the demand for currency and other Federal Reserve liabilities.」

と述べている。もともと資産購入は「少なくとも今年の第2四半期まで続ける」としており終了時期は明言していなかったが、第2四半期から購入額を減らすことを示唆した。そのあとは金融危機以前のような自然な(ゆっくりとした)バランスシートの拡大を想定しているとのことなので、実質的には資産購入終了(予定)の宣言ではないかと思う。株が下げたのはIOER引き上げ以外にもこの影響もあると思う。なお、SRF(常設レポファシリティ)についてのコメントは今のところない。

議長の記者会見を含めて、全体としては個人的には予想外にタカ派の印象を受ける内容だった。市場をリードしていこうという気概をFedに感じることは最近なかったのだが、今回はややそれを感じる。中央銀行がトランプ大統領や市場の反応など気にすることはないし、個人的にはそうあってほしい。

現在の株高はQE1~3と去年始めた資産購入(QE4と呼んでる人もいるようだ)によって支えられていると思っている(下図、Fred(https://fred.stlouisfed.org/)から得たデータを自分で加工・編集したもの)。

f:id:satosatosatoh:20200130121234p:plainQEを止めれば株は売られるだろうが、市場の顔色を窺ってこんなことを続けていたら次の景気後退期の傷が深くなるだけだ。もうすでに手遅れかもしれないが、これ以上傷口を広げるべきではないと思う。

FOMC後株以上に米国債の金利が大きく低下している。IOERを引き上げたのに皮肉なことである。データが悪かろうがなんだろうが上げてきた株だが、今回の発言を受けて流れは変わるだろうか。まだ実際に購入を停止するとしても時間はあるが、本当に停止するなら個人的にはそうなると予想している。株が下げたとしても議長には初志貫徹してほしいものだ。

トランプ大統領の反応も気になるところだが、今のところ無いっぽい。弾劾でそれどころではないのだろうか。