2020/2/4 曇り時々雨;逆イールド 景気後退 スプレッド(2年債、10年債)

米国債利回り低下

新型肺炎の影響が広がっている。
何度か日記で書いているが市場はリスクオフムードであるにもかかわらず、株式市場は比較的楽観的にみえる。
一方米国債の利回りは大きく低下(債券価格が上昇)しており、久しぶりに3ヵ月物と10年物の利回りが逆転している(逆イールド)。
2年物と10年物のスプレッド(10Y-2Y)も縮小してきているが、まだ逆転までは至っていない(書いている時点で0.17ぐらい)。
10Y-2Yについては去年の8月に逆転し、その後はスプレッドは拡大傾向にあった。

スプレッドの縮小は景気後退の危険を知らせるものなのか。
改めて逆イールドと景気後退(直近3回)の関係について考えておきたい。景気後退とスプレッド(10Y-2Y)、フェデラルファンド金利(FF rate)、10年物の金利(10Y)のチャートは下図の通り(FRED(https://fred.stlouisfed.org/)から得たデータを加工・編集したもの。Recession=1は景気後退期を示す)。

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図からは、
・景気後退①~3はいずれも逆イールド(10Y-2Y)が発生した後に起こっている。
・逆イールドが初めて発生してから実際に景気後退に陥るまでは時間差があり、1~3年ぐらい。
・景気後退①~3はいずれもFedが利上げから利下げに転じ、利下げしている過程で起きている。
・景気後退前にはスプレッド(10Y-2Y)は拡大し、景気後退入り時のスプレッドは0.5~1ぐらい。景気後退入り前に10Yは上げること(①)もあれば下がること(②、③)もある。スプレッドの方が大事らしい。
・過去の景気後退期にはFedはおよそ5%の利下げを行っている。

などのことが分かる。これらのことから、

・今後景気後退が起こるとしたら、時期は早くても2020年8月ぐらいで、遅かったら2022年8月ぐらい。

と思われるが、

・現状Fedは利上げ過程から利下げに転換しているが、次利上げか利下げどちらに動くのかは微妙。
・スプレッドは拡大傾向にあったが、最近縮小している。

ことからまだ景気後退が近いとは考えられない。今後Fedが利下げを続け、スプレッドが拡大するようなら要注意だろう(金利の面からは)。
もちろん過去の例が今回も当てはまるとは限らない。良くも悪くも。逆イールドが景気後退を引き起こすメカニズムも良くわからないし、ただ過去にそうなったという事実があるに過ぎない。

一方、

・FF金利は現状1.5-1.75しかない。

ので過去の利下げ幅の平均である5%に全然足りていない。景気後退が来てしまったらどうするのだろう。というか景気後退③の後は利下げだけでは足りずFedは量的緩和(QE)を行っている。そのQEで膨らんだバランスシートも縮小に失敗し去年「QE4」を開始する始末。Fedに残された「武器」は2%に満たない金利だけと思うのだが。
その上財政赤字も膨らんでしまっている。景気が悪くもないのに。
どうするつもりなのだろう。
もうなにがなんでも景気後退を防ぐしかないんだろうけど、永久に防ぐことなどできるもんだろうか。