2020/3/2 晴れ;Fedウォッチが示すFed(FRB)への利下げ催促相場とついに音を上げたパウエル(Powell)議長・どうなる”QE4”、株価下落とバーニー・サンダース(Bernie Sanders)氏の支持率

いまだに続く利下げ催促相場

先週に引き続き、またFedに対する利下げ期待が高まっている話(下記記事参照)。

 

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今日もFedウォッチ(FedWatch(https://www.cmegroup.com/ja/trading/interest-rates/countdown-to-fomc.html))を見てみたら、利下げ確率(25bps以上)がとんでもない事態になっていた(2/25の数字→2/26の数字→2/27の数字→2/28の数字→今日の数字)。

3月:約14% → 約26% → 約37% → 約96% → 100%(50bps:100%)
4月:約46% → 約60% → 約76% → 約99%(25bps:31%、50bps:68%) → 100%(50bps:25%、75bps:75%)
6月:約69% → 約78% → 約89% → 約99%(25bps:14%、50bps:47%、75bps:39%) → 100%(50bps:10%、75bps:45%、100bps:45%)

3月の利下げがもう完全に織り込まれているだけでなく、利下げ幅も50bpsとなっている。
しかも、2020年内ということになると150bpsの利下げ確率でさえ約6%ある。今のターゲットレンジが1.50-1.75%だから、150bps利下げされたらレンジは0.00%-0.25%。マイナス金利にならないとすればだが、今年中に利下げが下限に達することを意味する。

最近の市場の下落にもかかわらずFOMCメンバーは様子見姿勢を見せていた(上記の日記記事参照)。
が、先週末ついにパウエル議長が音を上げたようである。下記のような声明を出した。

(下記はFRBのサイト(https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/other20200228a.htm)から引用)
「Statement from Federal Reserve Chair Jerome H. Powell

The fundamentals of the U.S. economy remain strong. However, the coronavirus poses evolving risks to economic activity. The Federal Reserve is closely monitoring developments and their implications for the economic outlook. We will use our tools and act as appropriate to support the economy.」

毎度おなじみの「act as appropriate(適切に行動する)」。まあほぼ確実に利下げは行うのだろう。
でもさっき書いたようにメンバーの多くは様子見姿勢(金利現状維持)を示している。
先週末にもパウエル氏が声明を出す前にブラード氏が下記のような発言をしている。

・ジェームス・ブラード(James Bullard)氏、セントルイス連銀総裁
2020年2月28日(CNBCの記事)
https://www.cnbc.com/2020/02/28/feds-james-bullard-says-rate-cuts-possible-only-if-coronavirus-turns-into-pandemic.html
「(現状の金融政策は)いい状態にある」
「さらなる利下げは世界的なパンデミックになれば可能性があるが、現時点でメインストーリーではない」
「コロナウィルスの拡大が世界経済に与える影響を監視するにあたり、それ(2019年に行った3回の利下げ)はFOMCを良い状態にしている」

ブラード氏は今年は投票権はないが、他のFOMCメンバー同様「去年3回も利下げしたばかりだし、今は様子見でいいだろう」ということだろう。
もっともなことだ。
何度も書いているけど、ここで利下げしても株価のバブル化を助長しただけで終わってしまう可能性もある。
実際、PBOC(中国人民銀行)の金融緩和策により中国の中小型株が急騰しているらしい(下記、ロイターの記事)。

https://jp.reuters.com/article/china-stocks-virus-idJPKCN20L07V

これは近い将来の米国や他の世界各国の姿かもしれない。
世界の株式市場は金融緩和中毒のようだ。

でもそれももう長くは続かないだろう。どの国も近年利下げを続けていて余力が減っている。
米国もあと6回利下げ利下げしたらそれ以上はマイナス金利だし、Fedはマイナス金利には否定的だ。
しかも去年の10月から月額600億ドルもの資産購入(財務省短期証券;Tビル)をおこなっている(Fedは「QEではない」と言っているが、市場では「QE4」とか「QE lite」とか呼ばれている)。
Fedはこの「QE4」については今年の第2四半期でやめると言っているものの、今回の新型肺炎を受けてこれもどうなるか分からない。いまのところQE4開始の根拠となったレポ市場の混乱は起きてはいないようだが、パウエル議長が言う「tools」にこれが含まれるのかどうか。
また、ECBも去年資産購入を再開してしまっているし、金利はすでにマイナス。

上述したようにまだ6%ほどにすぎないが、今年中にFedが利下げカードを使い切ってしまう可能性が織り込まれ始めている。QE4がどうなるか分からないが、仮に継続され、加えて6回利下げした場合完全に「弾切れ」状態になってしまう。
金融政策がこんな状態になってしまったらあとはもう何かあったら財政政策に頼るしかないが、今もう既に米国は多額の財政赤字と貿易赤字を抱えてしまっている。
非常に危険なことである。

ともあれ、利下げは拙速であるとする意見ももっともな状況だと思うが、パウエル氏はメンバーの説得ができているのだろうか??
いきなり50bpsもの利下げをどうやったら納得してもらえるだろう・・・。
こんなの「パニック利下げ」とでも呼ぶべきものだ。恥ずかしい。
利下げでウィルスが死滅するのならどうぞやってくださいというところだが。

3月7日からはブラックアウト期間になるため、FOMC前にメンバーの発言が聞けるのは今週だけ。
注目していきたい。

サウスカロライナ州予備選挙(South Carolina primary)、バイデン氏圧勝

先週末はサウスカロライナ州の予備選挙があった。
事前調査ではいずれもジョー・バイデン(Joe Biden)氏が優勢。
でも先週は株価が大きく下落。
下記の日記で書いたように、この株価下落がバーニー・サンダース(Bernie Sanders)氏に有利に働くかどうか注目していた(下記記事参照)。

 

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で、結果はバイデン氏の圧勝。サンダース氏は2位につけたが、バイデン氏と約28ポイントも差がついてしまった(下記、CNBCの記事)。

https://www.cnbc.com/2020/02/29/south-carolina-primary-2020-live-results-updates.html

最近の事前調査では多くて21ポイント差(下記サイト(RealClearPolitics)を参考にした)のようなので予想外の大差である。

https://www.realclearpolitics.com/epolls/latest_polls/democratic_nomination_polls/

まあ単純にこの結果だけを見ればだが、株価下落は必ずしもサンダース氏に有利には働かないようである。

明日はいよいよSuper Tuesday。
RealClearPoliticsを見てみると多くの州でサンダース氏が優勢だが、今回の結果を受けてバイデン氏が復活してくるのか。
また、ブルームバーグ氏も参戦してくるが、進行中の株価の下落が氏に有利に働く気がするのは私だけだろうか。
混戦か。

 

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