2020/3/19 晴れのち雨;円はまだ安全資産か・ドル高はまだ続くのか

円はまだ安全資産か

色々あり過ぎて日記に書くのがだいぶ遅れてしまったが、2月の半ばに米国株が大きく下落したにもかかわらず円安・ドル高になったことがあった(下図、自分で集計・加工したデータを使用)。

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報道等では様々な憶測が流れ、円はもはや安全資産ではなくなったとの意見も散見する。
これについて自分の考えをまとめておきたい。

まず現在のドルと円の状況を手っ取り早く指数(ドル指数(Dollar index)、円指数(Yen index))で確認したい。それぞれのチャートは下図の通り(自分で集計したデータ(ドル指数先物)および日本銀行のサイト(https://www.boj.or.jp/)(円指数)から得たデータを加工したもの)。

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1999年1月4日の数値を100として表示してある。図の通り、1999年に比較して現在、ドルも円もやや高い水準にある。
また、ここ数年はドルも円も上昇傾向にあり、新型肺炎発生後は動きは荒いもののドルも円も買われている。
指数をみるとどちらも安全資産として機能しているように見える。

その他についてもいろいろ確認したが、例えば円については、日本のインフレ率は相変わらず低いままだし、経常収支もずっと黒字を維持している。外貨準備高も豊富。
ドルについては米国はインフレ率は日本より高いし、経常収支も大赤字。なのに安全資産として機能している。
円の安全資産としての地位が落ちたとは思えない。

2月にあったドル円の上昇がなんだったのかは分からないが、日々の値動きに意味を求めても仕方がない。
私もびっくりしたし、理由を知りたくはなるのは分かるがどうせ本当のところはわからない。
まあ改めてファンダメンタルズを考えるいい機会になった。

最近株価が急落している割にはドル円は下げていないように見えるが、これはドルも円も買われているからだろう。
加えて、ドルについては米国の期待インフレ率が低下していること、そして直近では長期国債が売られ始めている(金利が上昇)ことから実質金利が上昇していることにも原因があるだろう。

ということで、自分の考えでは円が安全資産ではなくなったとは考えていない。

進むドル高

上述したが、最近実質金利の上昇を受けて急速にドル高が進んでいる(下図、FRED(https://fred.stlouisfed.org/)から得たデータ(実質金利)および自分で集計したデータ(ドル指数先物)を使用して作成)))。

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でも、図を見てわかる通り長期で見ると実質金利とドル指数の乖離が激しい。
特に2019年をピークに実質金利は急低下しているのに、ドル指数はむしろ上昇してしまっている。
まあ米国以外の国もこぞって利下げしているからではあるのだろうが、これももうそろそろ限界ではないだろうか。

利下げ余地がまだある国もあるが、着実に減少しているのは確かだ。
実質金利についてもいま新型肺炎の影響で期待インフレ率が急低下しているから上昇しているが、このまま上げ続けるとは考えにくい。新型肺炎はいずれ収まって期待インフレ率は回復するだろうし、Fed(FRB)も経済を回復させるためにあの手この手で実質金利を低く保とうとするだろう。
また、上でも書いたが米国は経常収支が赤字であり、ドル高はこれをさらに悪化させることにもなり、それはドルの信用を低下させドル売りにつながる。

なので長期的にはドル安が進行することで実質金利との乖離が縮小する可能性が高いと考えているが、どうだろう。

イラクが OPEC+の緊急会合を要請

株もひどいが原油価格がひどいことになっている。
きっかけはロシアが減産を拒否したことだが、もう誰も得をしないと思われるレベルまで落ちてきている。
新型肺炎の影響で需要が減少しているのだから減産しないと供給過剰になるのは当然だし、最近のドル高もコモディティ価格にはマイナス。
上がる要素がない。

ロシアとサウジアラビアは米シェール企業をつぶしに来ているとの観測もあるが、そのまえにイラクがもう限界なのかもしれない。
OPEC+の緊急会合を要請したらしい(下記、Reutersの記事)。

https://www.reuters.com/article/oil-opec-iraq/iraq-oil-minister-calls-for-opec-non-opec-emergency-meeting-letter-idUSL8N2BA8XK

原油価格を巡ってチキンレースのような状態になっているが、ロシア・サウジはどうこたえるだろうか。