2020/3/27 雨;新規失業保険申請件数が過去最高を記録、市場は米国の景気後退を織り込んだらしい

また出た新記録

最近新型コロナウィルスの影響で異常なデータを目にすることが増えた。
昨日米国の労働省(US Department of Labor)が週間の新規失業保険申請件数を発表(UNEMPLOYMENT INSURANCE WEEKLY CLAIMS;リンク先は下記)。

https://www.dol.gov/ui/data.pdf

季調済みで3,283,000件。普段の数字はだいたい20~30万件程度なので目を疑うような数字だ。
レポートによると新型コロナウィルスの影響でサービス業全体が打撃を受けているのだが、やはり宿泊と外食が特にひどい状態らしい。
また、今までで一番多かったのは1982年10月の695,000件だったので、ぶっちぎりで新記録となってしまった。

一方米株価の方はそんなことはお構い無しで堅調だ。
悪材料出尽くしということなのか、織り込み済みなのか。誰も気にしていない。
この感じだと来週の雇用統計もひどい数字になるだろうが、たぶんほとんど無反応だろう。
市場はもう景気後退入りを織り込んでいるように感じる。

景気後退に陥るのかどうか、自分の考えをまとめておきたい。
まず2020年1Q(第1四半期)については前期比でマイナス成長になるのは間違いないだろう。
2019年4Qは堅調な数字だったし、3月の悲惨な状況からして4Qを上回ることはまずない。
問題は2Qだが、トランプ大統領はイースター(4月12日)までには経済活動を再開させたいと言っているが、個人的には楽観的すぎると思う。
感染者数の増加はまだ加速しているし、ピークはもっと先だろう。
完全に活動を再開できるのは早くて5月か最悪6月を予想している。
なので、米経済が1~2月は好調だったことを考えると2Qも前期比マイナスの可能性が高いと思う。
つまり、たぶんテクニカルリセッションに陥るだろう。

でも、コロナウィルスの感染拡大は2Qまでには収まるだろうし、3Qは急速に回復するだろう。
というかむしろ感染拡大前よりいいかもしれない。
なぜなら感染拡大前に比較して金融政策的にも財政政策的にも過剰接待ともいえるような状況だからだ。

ただ、傷跡もしっかり残っている。
Fed(FRB)は弾切れになってしまったし、ただでさえ巨大だった債務もさらに膨らむだろう。

この先の米経済について、一番怖いのはインフレ率がFedの目標である2%を上回って上昇することだと思っている。
ちょっとまだデータも考えもまとめきれていないので抽象的な感じではあるが、その理由をとりあえず書いておきたい。

まず、米経済(たぶん世界経済も)が金利の引き上げとバランスシートの縮小という金融引締めに耐えられないというのは2019年の一連の出来事で証明されてしまっていると思う。
耐えられない原因として重要だと思うのは、長年の金融緩和により資産価格が歪なレベルまで上昇してしまったことと債務が持続不可能な速度で膨らみ続けたことの2つ。
新型コロナウィルスはこの2つの状況をさらに悪化させるだろう。
つまり、米経済は今後さらに「金融引き締め耐性」が下がると思う。

なので、今後「Fedが金融引き締めをせざるを得ない状況」になった場合、米経済にとって大きな問題になるだろう。
それはつまり「インフレ率が大きく上昇した場合」だ。
また、一番最悪なのは「金融引き締めがインフレ率の上昇要因になる場合」だろう。
Positive feedback loopが出来上がるから。
そのようなことが起こる可能性はあるだろうか。
これらについてはさらに深く考えていきたいし、インフレ率の動向にはこれまで以上に注意したい。